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株式会社 日立情報通信エンジニアリング

第4回Wi-Fi 6とローカル5Gを活用した
自営型無線ネットワーク

これまで、自営型無線ネットワークとしてはWi-Fiが広く採用されてきました。近年、非通信事業者でも使える無線規格として、2019年9月に第6世代のWi-Fi規格「Wi-Fi 6」がリリースされ、2019年12月には「ローカル5G」が制定されました。今回は、それぞれの特長と用途について紹介します。

Wi-Fi6のイメージ

現在、広く普及しているのは、第5世代のWi-Fi規格「Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)」ですが、5G(第5世代移動通信システム)の普及に合わせて、新規格として第6世代の「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」がリリースされました。あらゆるものをインターネットに接続させる「IoT(Internet of Things)」や、大量の情報処理が求められる「AI(人工知能)」など、インターネットで大量の情報を高速に処理させなければならない場で、Wi-Fi 6はICT基盤をさらに強力にするための通信環境を提供します。

Wi-Fi 6の通信速度はWi-Fi 5の約1.4倍、最大9.6Gbps(論理値)と高速で、高解像度の映像配信や、データの送受信に掛かる時間が大幅に短縮されます。また、接続が安定していて、Wi-Fiが混雑している状況でも、スムーズで快適な接続と高速通信が行えます。主な技術は次のとおりです。

  • 1024-QAM*1(1024 直角位相振幅変調)の採用で転送が高速化
  • OFDMA*2(直交周波数分割多元接続)の採用で周波数帯域の利用効率が向上
  • マルチユーザーMIMO*3技術で無線アクセスポイントと複数デバイスの同時接続機能が強化
*1
QAM(Quadrature Amplitude Modulation)
*2
OFDMA(Orthogonal Frequency-Division Multiple Access)
*3
マルチユーザーMIMO(Multi-user Multiple Input, Multiple Output)

2020年1月には「Wi-Fi 6E」が新たな規格として発表されました。Wi-Fi 6Eでは、2.4GHz帯と5GHz帯に加え6GHz帯も利用できるようになります。6EのEは「Extended(拡張された)」を意味しています。Wi-Fi 5などの既存規格との干渉を避け、80MHzで14チャネル、160MHzで7チャネルを新たに収容できるようになるため、多台数接続の性能がさらに向上します。
これにより、高速データ伝送が求められるVR(仮想現実)や動画配信などのアプリケーションへの活用が可能になります。また、イベント会場や商用施設など、非常に多くの端末が混在する高密度環境であっても、Wi-Fi 6Eであれば効率的な周波数帯の利用によるスループットの向上と、AP(アクセスポイント)と複数デバイスの同時接続性の向上により、優れたネットワークパフォーマンスを同時に数多くのユーザーにサービスを提供することが可能となります。

もう1つの無線規格であるローカル5Gは、通信事業者が提供する5Gサービスとは別に、5Gの特徴をそのまま企業や自治体などに導入できる「自営の5G通信」のことです。建物内や敷地内といった限定されたエリア内で利用するという条件下で、免許を取得すれば5Gの自営型無線ネットワークとして利用できるようになります。5Gの仕組みを利用して、帯域幅を制御したり、通信速度をコントロールしたり、セキュリティレベルを変更したりと、地域や企業のニーズや特性に合わせて自由度の高い通信環境を構築できます。また、免許については、自ら取得することも、建物または土地の所有者からシステム構築などの発注を受けたベンダーやSIerが代わりに免許を取得することも可能とされています。

Wi-Fi6のイメージ

ローカル5Gの最大の特長は、5G環境を独立したネットワークにいち早く導入できることです。企業がローカル5Gを構築した場合のメリットは次のとおりです。

  • 5Gの自営ネットワーク開局による各地の拠点を含めた専用通信ネットワークの確立
  • 外部のネットワークと完全に切り離して運用できるため、不正アクセスや情報漏えいのリスクが低減
  • 業務システム、工場などのIoTシステム、社内コミュニケーションシステムなど、システムごとに存在していた通信基盤の統一および集約と通信基盤コストの節約
  • APN(Access Point Name)とパスワードでの認証に加えて、SIMカードによる認証で通信セキュリティを強化
  • 地域BWA(Broadband Wireless Access)との共存も可能

ここまで、自営型無線ネットワークとしてWi-Fi 6/6Eとローカル5Gについて紹介しました。これらの導入にあたっては、利用範囲や用途、運用の手間や費用、さらには将来に向けた計画などを考慮することが大切です。
当社では、情報通信ネットワーク構築分野で長年培ってきた経験と実績を生かして、Wi-Fi 6やローカル5Gの最適な環境を構築したいというご要望に、コンサルティングから、企画・設計・構築・保守運用まで、ネットワークソリューションおよびプラットフォームの構築ソリューションでお応えします。

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