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株式会社 日立情報通信エンジニアリング

第1回少子高齢化と介護サービス分野での働き方改革

人口減少と少子高齢化に伴い、各業種、各職場で働き方改革を迫られています。
そんな中、介護サービス分野でも働き方改革は喫緊の課題となっています。5Gは、今後の日本の社会にどんな変化をもたらしていくのでしょうか。

5Gによる介護サービス分野での働き方改革のイメージ

国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」(平成30年度推計)によれば、日本の全人口に占める15歳未満人口の割合は、12.5%(2015年)から10.7%(2045年)に減少します。一方で、65歳以上人口の割合は26.6%(2015年)から36.8%(2045年)と約4割を占め、大きく増加します。また、労働力人口(生産年齢人口)である15-64歳の人口の割合は、60.8%(2015年)から52.5%(2045年)と著しく減少してきています。

少子高齢化が進行すると、深刻な労働力不足はさらに加速することが見込まれます。経済産業省が2016年に取りまとめた「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」によると、介護サービス分野では、2035年、高齢者295万人に対する介護スタッフの人材供給は79万人も不足すると予測されています(家族による介護を介護サービスで代替する需要を含みます)。

介護対象者に対して介護スタッフが不足する現場では、介護スタッフ1人が多くの介護対象者を担当することになります。すべての介護対象者に十分なサービスを提供しようとすると、介護スタッフの業務負担が大きくなり、過重労働につながります。

介護スタッフの業務は、介護対象者の体温や血圧などのバイタルの測定、データの集計、経過観察、介護支援業務レポートの作成、食事や排せつのサポート、突発的な怪我や事故の対応など多岐にわたります。

当社は、このような業務の作業量の軽減や業務内容の見直しによる効率の向上、新しい技術サポートの採用などで、介護サービス分野での働き方改革が実現できると考えます。

介護対象者に応じた個別の作業では、ICTの活用が作業負担軽減の1つの解決策になります。
個別対応の作業例を次に示します。

  • バイタルを測定して手書きで記録。あとでPCからシステムに登録
  • 定期的な巡回観察
  • 日々の申し送りや介護記録の作成などの定型的なルーティン業務

ICTや無線技術を活用すると、これらの作業を次のように効率化・自動化でき、介護スタッフの作業負荷が軽減できると考えられます。

  • センサー活用による利用者のバイタルなどの自動測定
  • 測定したデータの無線による収集、蓄積、一元管理、見える化による共有
  • 各種情報をまとめた介護支援業務レポートなどの作成

また、通信手段として多くの病院や介護施設で利用されてきたPHSですが、PHSの公衆サービスが2021年1月末日で終了します。PHSの後継としてsXGP*による通信サービスの普及が期待されています。このsXGPはローカル5Gとの親和性が高く、将来的にローカル5Gへの移行が効率的に行えます。

  *
sXGP(shared eXtended Global Platform)

最先端な大学病院などでは、通話手段としてはPHSを活用、電子カルテはWi-Fiを経由してタブレット端末で利用、IoT関係の情報はセンサーを活用してシステムで管理と複数の無線インフラが必要になります。

sXGPやローカル5Gでは、高速で大容量な通信ができ、広い帯域を利用できます。このため、音声通話とデータ通信を1つの無線システムに統合でき、複数の通信インフラの維持管理が不要です。5Gのこのような特性・運用メリットを生かしたPrivate-LTE/ローカル5Gの活用に期待が高まっています。

当社では、介護施設スタッフの介護業務を支援する「介護施設向けケア支援ソリューション」をご提供しています。
本ソリューションでは、IoT技術を使用して、入居者やベッド、トイレ、居室などに設置した各センサーから、介護に必要な各種データをBluetooth経由で収集し、介護施設スタッフの端末に自動で通知します。さらに、介護支援ソフトウェアと連携して、データをクラウドで一元管理することで、入居者の状態記録や生活リズムなどの見える化を実現できます。これによって、介護施設スタッフは入居者の健康状態をデータから把握できます。また、収集するバイタルにしきい値を設定すると、測定値がしきい値を超えたときに、その場にいないスタッフのPHSへアラームを発報できます。スタッフは離れた場所にいてもリアルタイムで状態・症状を確認でき、緊急の対応にも効果的です。

このようなセンサーを用いたIoT技術を活用することで、介護施設スタッフの働き方が変わり、介護施設は介護の本質である人と人とのコミュニケーションを優先したサービスを提供できるようになります。

今後、介護対象者の増加に伴い、収集するバイタルや状態も増加することが想定されます。また、緊急時でも遅延のないコミュニケーション環境を構築する必要があります。これらに対応する手段として、大容量通信・多接続・低遅延の特徴を持つ5Gの活用が有益と考え、さまざまなソリューションへの適用・検討・検証を進めます。

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