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PBXはコミュニケーションの縁の下の力持ち

ネットワーキング事業部 UCシステム本部 品質・サポート部 関根 龍介

キーワード

  • #通信
  • #社会インフラ
  • #ネットワーク

PBXとは?その役割と利点

当社のテレコミュニケーション事業における製品の1つにPBXがあります。PBX(Private Branch Exchange:構内交換機)は、会社などで使用される内線電話を制御する装置です。携帯電話の普及により内線電話の需要は減りましたが、PBXは以下のような役割を果たしています。
・外線機能:外線着信があると内線電話を呼び出します。
・保留、転送機能:通話後に保留や他の内線へ転送できます。
・内線通話:会社内の電話機同士での通話も可能です。
・通信費削減:現在と比べて通話料金が高かった時代には、外線を集約して通信費を削減するためにも使用されました。
入社当時は友人からどんな仕事をしているのか聞かれた際に、工場やホテルなどで使う内線電話を動かす交換機という装置を作っている会社です、と説明すると、おそらくわかってなくて「ふ〜ん。」といった反応がありました。
出張先でホテルなどに宿泊すると、客室の電話機を確認して自社製品だと喜んだり他社製品だとモーニングコールを設定して動かしてみたりしたものでした。


PBX製品開発の思い出

私が入社した時に配属された旧郡山工場では、PBXの設計から製造を一貫して行っていました。
電話機のケース(モールド品)から中身のプリント基板、プリント回路板、PBXの筐体(板金)まで全てを製造していました。
初めて設計した試作品のプリント回路板3枚を手にした時のことは今でも覚えていますが、設計ミスで搭載部品漏れがあり、最初は動かなかったこともありました。
当時は自社内に自社製PBXを設置し内線電話を使用していたため、新機種開発時には人々が集まり、一斉に発信して負荷試験などもしていました。
いろいろなトラブルがありましたが皆で力をあわせて問題を解決してきました。

PBXの応用製品

PBXは電話を動かすシステムであり、音声通話が主な機能ですが、その通話機能を応用した製品もさまざまな場所で皆さんの生活を支えています。
当社内関係者では「システム品」と呼んでいます。
例えば、警察・消防・鉄道・空港などの業務系および指令系電話、コールセンターの受付、ビルの非常用電話など。
これらの製品にかかわったことで、一般の人は入ることができない場所にも入ることができました。
例えば、空港の管制塔、超高層建造物の地下機械室、鉄道関連の指令所、消防の危機管理センターなどです。

PBXの今後

インターネットの普及により、VoIP(Voice over IP)(*)技術を使用したIP-PBXやクラウド型PBXなど、PBXも変化してきています。これからも新しい技術によってPBXの形は変わるかもしれませんが、PBXは裏方として皆さんの生活を支え続けるでしょう。
*
VoIP(Voice over IP):音声をデータに乗せる技術。IP(Internet Protocol)を使用します。


2024年7月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 UCシステム本部 品質・サポート部 関根 龍介



※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。