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こんにちは、日立情報通信エンジニアリングの溝添です。皆さんは現代のテクノロジーが私たちの生活と安全にどれほど貢献しているのかを考えたことはありますか?今回は、私たちの保有する画像認識技術が、どのように安全性向上に貢献しているかについて詳しくご紹介いたします。
課題の背景:現場の安全性確保への欠かせない挑戦
大型機械を扱う現場での安全性は、作業員の命を守るうえで最も重要な要素です。そこで画像認識を用いて人物を検出し、危険な状況を避ける試みが行われています。しかし、従来の画像認識技術では逆光や不規則な環境などの影響により、人物の認識に不確かさが生じる場合がありました。この課題を低減するために、私たちは新しいアプローチを模索しました。
技術の進化:動きを予測する画像認識
従来の画像認識において、フレームごとに独立した画像認識を行う方法では、ノイズや逆光などの要因によって認識漏れや誤検出が発生することがありました。しかし、私たちの新しいアプローチは、認識対象オブジェクトの位置情報を時間的に追跡し、その結果の情報と画像認識の結果を組み合わせて判断することで、この問題に対処しています。これにより、一時的な誤りが発生しても、周囲の情報を考慮して正確な補正が行えるため、認識精度が大幅に向上しました。
成果の具体例:現場の安全性向上
私たちの技術を用いることにより、さまざまな現場で安全性を向上させることが可能になります。例えば、建設現場では、作業員の位置情報をリアルタイムで追跡することで、危険なエリアへの進入を防止し、作業中の事故リスクを低減できます。また、工場の自動化プロセスにおいては、人と機械の協調作業が円滑に行われ、生産効率と安全性の両面で大きな成果を上げることができるようになります。
現場での画像認識イメージ
他の分野への応用事例:課題解決の可能性
さらに、私たちの画像認識技術は他の分野でも革新的な解決策を提供する可能性があります。以下に具体的な応用可能性をいくつか紹介いたします。
1. 医療分野
画像認識技術を用いて、MRIやCTスキャンなどの医療画像を自動的に解析し、異常を検出することが可能です。これにより、早期の病気の発見と正確な診断が実現し、患者の治療効果の向上が期待されます。
2. 公共交通
画像認識技術を活用して、鉄道やバスなどの公共交通機関での乗客の動線や混雑度をモニタリングし、運行の最適化と効率的な運行計画を立案することが考えられます。
3. 農業
画像認識技術を用いて、農作物の生育状況や病害虫の発生をモニタリングすることで、効果的な農薬の使用や収穫の最適なタイミングを判断できる可能性があります。
4. 交通安全
道路上の監視カメラを用いて、交通事故や違法駐車の監視を行う際に画像認識技術を応用できます。これにより、違反行為の検出や迅速な対応が可能となり、交通安全の向上に寄与することが期待されます。
これらの例は、画像認識技術の多岐にわたる応用可能性の一部です。日立情報通信エンジニアリングは、これらの分野で新たな展開を果たす可能性があり、安全性や利便性の向上を通じてこれからも社会に多大な貢献を行います。
2023年12月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
エンジニアリング事業部 画像技術開発本部 溝添 博樹
※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。