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こんにちは、みなさん、当社blogを読んでいただき、ありがとうございます。
イマーシブ(没入型の)アトラクションが流行していますね。また「シミュレーション仮説」「シミュレーション・リアリティ」という言葉も聞きます。私たちが「現実」だと感じている世界は実は、誰かのシミュレーションに過ぎないかも・・という説です。意識的な没入ならばもとの現実にもどれますが、没入して無意識の中で覚めない夢の中にいつづけているとしたら・・と思わず背筋が寒くなります。
コンピューターの性能向上とともに、解析数値シミュレーション、予測シミュレーションは進化・発展をしてきました。 本日ご紹介するブログは「モデルベースデザイン」と「モデルシミュレーション」に関連するブログです。
■今回のピックアップ・ブログ
エンジニアの体験が書かれているブログです。検証時に不具合が見つかり、設計修正が大きくなってしまった課題に対して、モデルベースデザインのプロセスを活用することで開発設計の効率性が上がり、スピードアップと品質向上が図られました。
モデルベースデザインという手法を初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。下記の当社Webページを参考にご覧ください。 モデルベース開発(MBD)サービス
このモデルベース開発サービスのページの中ほどに、開発プロセスの全体を示したVの字のような図が示されています。 このVの字の中央から左右に分けて、左側部分が設計プロセスです。
各設計のフェーズでは、モデルの設計評価(ループ)が繰り返されている部分が見えると思いますが、この部分がシミュレーションに相当します。
もう一方の右側は、検証プロセスです。実装したシステムを使われる環境において実際に動かして正常・異常の動作テストやマージン測定などをします。設計プロセスの各モデルの完成度が高く品質がよければ、検証プロセスでの問題に対して、設計プロセスに後戻りして修正するというロスが少なくなります。各モデルの完成度を上げるためにも、設計プロセスのモデルシミュレーションの精度を高めることが肝要です。
つまり、「転ばぬ先の杖」としてシミュレーションをしっかりしておけば、検証プロセスも安心してじっくりと進められるということです。
さて最後に、タイトルにあります「あと」「さき」ですが、
これらの言葉は使う文脈によっては、ときには過去を意味したり、ときには未来を意味したりして、みなさんも不思議だと思いませんか?
「さきの帝」(この「さき(前)」は過去のこと)、「あとは野となれ山となれ」(この「あと(後)」は、未来のこと)という表現もあれば、 「これからさきを予想して」(この「さき(先)」は未来のこと)、「古い文明のあと」(この「あと(跡)」は過去のこと)という表現があります。
変わりつづける現在点を基準に、目の前の意識が「過去」なのか「未来」なのかで言い方が変わるのかもしれません。
予測できない未来(=あと)のことは考えず、今がすべてと割り切るからでしょうか。
それともシミュレーションなどで見通せることが多いと自信ができ、安心して未来(=さき)を見たくなるからでしょうか。
2025年9月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
経営戦略本部 ブランドコミュニケーション部 阿部 哲也
※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。