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アラフォー技術者の転身:ハードウェアからソフトウェアへの挑戦

エンジニアリング事業部 第3本部 舘下 桂

キーワード

  • #ハードウェア
  • #ソフトウェア
  • #エンジニアリング
  • #雑学

1. はじめに

本物語の主人公は現在、アラフォーの管理職。
入社後、ハードウェア技術者として6年間のキャリアを持ち、その後会社の意向で、ソフトウェア技術者に転向となる。 しかし、ソフトウェアの世界は私にとって未知の領域だった。
そこで待ち受けているのは・・・

*
この物語は、実際の人物・出来事にインスパイアされたフィクションです。真実の背後に潜むドラマを、ぜひご覧ください。
記載内容全てが正しいわけでなく、あるエンジニアのイチ観点となります。

2. 突然のソフトウェア開発転向と苦労

苦労しながらも、がむしゃらにハードウェアの開発を行っていた6年目。
ある日、部長からの突然の呼び出しが。

そこで告げられたのは、『今後は、ソフトウェア開発を行ってもらいます』の一言。
実はこの決定裏には、急速に拡大するソフトウェア開発事案が。
私を含む数名が、ハードウェアから新たな挑戦へと進むことになったのです。

  • 驚きと戸惑いの中、新たな道を歩む決意を固めました。

しかし、全くのソフトウェア開発未経験だった私。
ソフトウェアのイロハも分かっておらず、顧客との会話はまるで異国の言語(用語が何も分からない)のようで、 彼らの考えや、ニーズを理解するのが本当に難しかった。

  • 自らの限界を感じながらも、挑戦を続け、仲間に助けてもらいながら学びの日々が始まりました。

3. 気づきの瞬間は唐突に、ハードウェア開発経験が生きるソフトウェア開発

開発を進めていくなかで、ハードウェアとソフトウェアの開発言語は異なるが、モジュール化や品質確保の観点など設計手法には多くの類似点があることに気づき、これが私の支えになりました。

  • 異なる世界の中に共通点を見出し、少しずつ学び、自信をつけていくアラフォー技術者

気づきを得てからは、ひたすら前に進むのみ。
開発の中で重要視しているのは、 - 装置毎に何が重要となるか?また、どうやって動いているのか? -

例えば・・・複合機*1の開発では、印刷速度や操作速度が肝であり、これらを満たすために処理順番を考慮した設計が求められる。品質評価では、印刷性能を意識した観点を主に評価する。
→複合機の性能として、起動後、1枚目を印刷できるまでの時間や印刷性能が重要。

*1
複合機とは、プリンター、スキャナー、コピー機、ファックスなどの機能を一台に統合した多機能デバイスです。オフィスや家庭で広く使用されており、作業効率を向上させるために設計されています。

一方、医用分析装置の開発では、検体=命と同じ重みがあり、測定をいかに停止させないかが重要となるため、ユーザーの誤操作をソフトウェア制御でカバーできるような設計が求められる。また、異常が発生した際は、影響を少なくするための考慮が必要で、品質評価では、試薬のml単位での精度が求められ、複合機の開発とは、まったく異なる設計観点が必要となる。
→検査対象者の血液などを検査しており、如何に安心・安全・正確に結果を測定できることが重要。

また、設計に取り組む際には、機器がどのように動作し、どのように使用されるのかを意識することが不可欠です。ハードウェアとソフトウェアの両方を経験したことで、物理的な仕組みを深く理解し、機器動作をイメージしやすくなりました。この経験により、設計時に俯瞰的に設計することができています。これまでの経験を活かし、プロジェクトに貢献しています。

  • さまざまな装置に携わることで、設計観点の学びや、発生する技術的課題に立ち向かいながら成長を続ける。成長と共に増していく責任。
    その重みを感じながらも、やり遂げたときの達成感は何物にも代えがたいものであり、この経験が彼を更なる高みへと導き、新たな自己成長の糧としています。

4. 経験から得た教訓と未来への挑戦

開発においては、ハードウェアとソフトウェアの知識は車の両輪のようなもので、どちらか一方だけでは前進できず、より良い設計を実現するためには両者の理解が必要と考えます。両方を学ぶことで、より優れた設計力を手に入れることができると信じています。

  • これからも、アラフォー技術者は、ハードウェアとソフトウェアの知識を生かし、より複雑なソフトウェア開発や、システム統合、AI技術を活用した開発に挑戦し続けます。

何事も諦めずに考え、色々学び続けることで、誰もがエンジニアとしての道を歩むことができます。挑戦を恐れず、一歩ずつ前進してください。あなたの努力が未来を切り拓く力となります。その一歩が、次の可能性を生み出します。

2025年5月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
エンジニアリング事業部 第3本部 舘下 桂


※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。