長年伝承されてきたノウハウ(暗黙知)を基にして製品開発を展開してきたケースでは、「高性能・高信頼製品ではあるが、安全規格に沿って体系的に明文化された種々のドキュメントなどが整備されていない(形式知)になっていない」などの事例が散見されています。このような事例では、たとえ優秀な製品であっても機能安全規格適合が求められている市場に受け入れてもらえない事態が発生しています。
日立情報通信エンジニアリングでは、多くの安全関連システムの機能安全認証取得活動で培った確かな技術と経験を基に、機能安全規格に適合した既存製品や新製品開発をサポートし、高度な安全システム開発を支援します。
機能安全規格とは安全なプログラマブル電子制御システムを開発するために有効と考えられる管理手法の適用を定めた規格です。詳細は、こちらを参照してください。
機能安全規格の要求事項の説明文の中には理解するために必要十分な情報が記載されていない部分があり、具体的な対応方法がわからない。
機能安全規格を熟知した専門家からコンサルを受けることにより、対象開発品が規格の要求に対しマッチするように具現化できます。
当社では、鉄道、自動車、建設機械などの複数の分野で培ったノウハウを活用し、お客さまの課題に最適な解決策を提案します。
例えば、自動車分野の機能安全規格 ISO 26262:2018 part2 6.4.8.1項では「セーフティケースは安全論証を支援するため、安全ライフサイクル中に生成される作業成果物を順次まとめること」を要求していますが、具体的な定義は記載されていません。
当社は自動車分野だけでなく複数分野のノウハウを保有していますので、このようなケースに対しても、必要な対応策を具体的に提案することができます。
当社の規格有識者と認証製品開発経験者がサポートすることにより規格適合コストを低減できます。
また、お客さまによる製品開発・設計と並行して当社が認証関連作業を推進することにより、開発日程を短縮できます。
そして、将来の作業量削減、品質向上に繋がる機能安全開発プロセスの定着活動を支援します。
機能安全規格では認証を受けたツールを使用することを推奨しています。
当社では、作業効率と品質の向上に向け、ツール環境構築、ユースケースを考慮したマニュアルやガイドラインの作成のほか、次の製品展開に向けた既存製品データのデータベース登録業務なども支援します。
規格要求とお客さまの既存開発プロセスをすり合わせることにより、変更量を最小限に留め、新たな開発プロセスへのスムーズな移行を支援します。
当社はお客さまの開発プロセスを機能安全規格に適合させるために以下のフローに沿って支援します。
当社は、安全性を証明する各種エビデンスの作成を支援するサービスを提供します。
規格適合に必要な安全関連V字プロセス設計における主なエビデンスを示します。
エビデンス | ||||||||
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セーフティ プラン |
トレーサビリティ レポート |
安全性 分析結果 報告書 |
検証結果 報告書 |
妥当性確認 報告書 |
セーフティ ケース |
アセスメント 報告書 |
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開発 フェーズ |
安全計画 | ○ | ||||||
安全要求設計 | ○ | ○ | ○ | |||||
安全機能設計 | ○ | ○ | ||||||
安全機能実装 | ○ | ○ | ||||||
安全機能テスト | ○ | ○ | ||||||
安全妥当性確認 | ○ | ○ | ||||||
安全アセスメント | ○ |
当社は規格が推奨している分析手法を用いて第三者に対して安全性の数値目標を満たしていることを証明するためのサービスを提供します。
安全に関する領域区分は以下の3つの区分に分けて考えることができます。
安全性の数値目標レベルは規格により定義されており、例えばIEC61508では安全度水準(SIL)と呼ばれる1段階から4段階のレベルが規定されています。
安全度水準(SIL)(IEC61508)
危険側故障:人的危害が加わる故障
安全度水準4では一万年から十万年に1度の危険側故障発生に抑えることが求められています。
この数値目標を満たしていることを証明するためにリスク分析を実施します。
例えば、FTAやFMEA手法を用いて、製品の安全目標・設計仕様書をインプットとし、目標とした安全度水準に対する十分性を評価します。
機能安全規格の「独立性(Designer、Verifier、Validator、Assessor)」の要求に対応したV字プロセス開発体制を構築する必要があります。当社の技術者がそれらの独立した役割を担うサービスを提供します。
当社は、お客さまのご要望によりOption1だけでなく、Option2のサービスおよびOption3の製品も提供します。
当社の機能安全規格 認証取得支援・開発事例を紹介します。
当社では、シリアル-パラレル変換部品を活用した高速データ転送コンポーネントのセーフティケース(ISO26262準拠)を作成した実績があります。
当社では、車載ECU向けソフトウェアの開発プロセスとISO26262規格との適合性を分析し、その分析結果からV字プロセスに沿った階層設計の考え方に基づいたテンプレートおよびガイドラインを整備した実績があります。