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第17回レジリエンスで強く、しなやかに

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先月、東京ビッグサイトで開催されたIIFES2025(11/19〜21)*1では、当社のIoTエッジ関連ブースに多くのお客さまが訪れ、サイバーセキュリティへの高い関心を感じました。特にランサムウェア攻撃の被害や、EUのサイバーレジリエンス法による脆弱性対応強化の話題が多かったのが印象に残りました。

そこで今回は「レジリエンス」という言葉に焦点を当てます。

語源はラテン語の「resilire(跳ね返る)」で、もともとは外力で変形した物が元に戻る「弾力性」を意味していました。

現在では心理学やビジネスの分野で「困難から立ち直る力」「適応力」「ストレス耐性」など、幅広い意味で使われています。予期せぬ事態に慌てず対応し、複数の手段を駆使して創意工夫で乗り越える力、これがレジリエンスです。例えば、「ブリコラージュ」という手法は、手元にある資源を活用し、柔軟に問題を解決する点でレジリエンスのよい例です。即興性や敏捷性もレジリエンスの要素といえるでしょう。

*1
IIFES:オートメーションと計測の先端技術展として隔年開催され、近年は製造業におけるIoTやAIなどのデジタル技術を活用するモノづくりが紹介されている

■今回のピックアップ・ブログ その1

「何事もあきらめずに考え、色々と学び続けること」と執筆者が書かれていますが、竹のようにしなやかで柔軟な心持ちがまさに私はレジリエンスだと思います。

私自身、学生時代、茶道部で竹を加工した経験から、竹のしなやかさと強さにレジリエンスを重ねています。当時茶会ごとに新しく青竹を切り「蓋置(ふたおき)」や庭に置く「塵箸(ちりばし)」という道具を作りました。また同じ竹で作られる茶杓や花入れなどの道具には、白竹という材料が使われます。青竹から余分な油分や水分を除くことで、表面にツヤが増して美しくなるだけでなく、カビや害虫を防ぎ、劣化を遅らせ長持ちするのが白竹です。

竹はこの「油抜き」の工程を経て耐久性を高めますが、これはマインドフルネスにも通じます。

レジリエンスの本にも紹介されていましたが、マインドフルネスは固定観念やしがらみを解き放ち、しなやかで丈夫な心を育みます。それによって、平常心などが鍛えられて、レジリエンスが育てられるそうです。

 


■今回のピックアップ・ブログ その2

冒頭の話に戻りますが、企業のサイバー攻撃対策では暗号化やWORM*2技術を活用した「不変ストレージ(Immutable Storage)」にてバックアップデータを守ることが重要です。こうした備えは迅速な復旧を支え、サイバーレジリエンスを実現します。もちろん風邪をひかないように、うがい・手洗いのような監視と素早いインシデント対策も大事です。

*2
WORM(Write Once Read Many):一度書き込んだデータを後から変更・削除できないようにする技術

2025年12月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
経営戦略本部 ブランドコミュニケーション部 阿部 哲也

※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。