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Hitachi

組み込みソフトウェアの世界:
技術の向上と共に社会へ貢献する冒険

エンジニアリング事業部 画像技術開発本部 日野 俊博

キーワード

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みなさん、こんにちは。日立情報通信エンジニアリングの日野です。今回は、ハードウェアを制御する組み込みソフトウェアに興味を持つ学生の皆さんに向けて、当社の取り組み事例を紹介します。この記事では、技術力の向上と社会への貢献をテーマに、組み込みソフトウェアの魅力的な世界をご紹介します。

アプリケーションの裏側に隠された世界

学生のみなさんは、アプリケーション開発においてOS、ライブラリ、ドライバ、開発言語、ツールなどのプラットフォームに関する知識が必要であることをご存知のことでしょう。また、最近はWebベースで動作する開発環境も多々あるため、そもそもプラットフォームを意識されていない方も多いかと思います。
しかし、技術は日々進化しており、必要な知識も常にアップデートが求められます。幸いなことに、インターネットの恩恵を受けて情報収集が容易になりましたが、コアな技術を磨くことも大切です。コアな技術を磨くことで、技術的に難しい問題が発生した時の対応が可能となり、また新しいモノづくりをする時の知識のベースとなります。

組み込みソフトウェアとは

そもそも組み込みソフトウェアとはなんでしょう?C言語などで作成するソフトウェアであれば、PCや組み込み環境でもコンパイルして実行ファイルを作れば同じように動作します。組み込みソフトウェアは、(一般的なPCとは異なり)特定のCPU・ボード上で動作するソフトウェアの総称であり、組み込みソフトウェアで性能を出す場合、物理的なCPUコア数やバスの構成、IPなどを考慮して設計する必要があります。
また、ハードウェアの性能を十分に発揮するOSやドライバも必要です。通常はチップベンダーが提供するOSやBSP(Board Support Package)を使用しますが、自社でハードウェアの性能を最大限に引き出すためのドライバ開発も取り組んでいます。また、ハードウェアチームと協力を通じて、ハードウェア・ソフトウェアが連携した開発も行っております。

未来への展望

ハードウェアの性能を最大限に引き出す場合、PCベースであれば、マルチコア・高周波数で動作させることが多いですが、組み込みソフトウェアではバッテリーで動作する場合もあり、最小限の消費電力で最大性能を出す「ノウハウ」があります。
例えば「CPUを極力動作させない」「消費電力を抑えたアルゴリズムを選択する」「処理に特化したハードウェアのみを動作させる」などがあり、このような「ノウハウ」を駆使し目標性能を達成させます。私たちは組み込みソフトウェアを通じて、お客さまの要望に応えながら、ハードウェアや部品の特性を見極め、性能を最大限に引き出す取り組みを通じて、社会に貢献します。
組み込みソフトウェアの世界は、テクノロジーと社会への貢献が交差する魅力的な場所です。私たちは皆さんに、この世界の扉を開いて一緒に「冒険」したいと願っています。ぜひ、技術の向上と共に社会へ貢献する「冒険」を、皆さんと共に未来に向かって一緒に前進しましょう!

2023年9月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
エンジニアリング事業部 画像技術開発本部 日野 俊博