ページの本文へ

つくる喜びが未来を動かす ― AI時代の“創造”を楽しむ仲間へ

DCエンジニアリング本部 第3部 宮田 賢一

キーワード

  • #エンジニアリング
  • #AI活用
  • #人財育成
最近は、生成AIがプログラムや文章まで作ってくれる時代になりました。

「AIができるなら、人がやる意味はあるの?」

そんな声を聞くこともあります。でも私はそう思いません。新しいものを生み出す喜びは、AIではなく"人"の中にある。その思いが、私の仕事と趣味の両方の原動力になっています。

アイデアを形にする楽しさ

私は小学生の時代から今にいたるまで、電子工作やプログラミングが好きで、秋葉原の電子街やマイコンショップに毎週のように通っていました。いまでも趣味の延長で技術系雑誌への寄稿や書籍の執筆を行っています。
回路を設計し、部品を集め、回路を実装してプログラムを書く。動かなかったものが動くようになる。さらに、それを人に見せて反応をもらう。このような一連のプロセスを自分の手で行うことの達成感は何度味わっても新鮮な喜びです。
そしてさらにアイデアを練り、実験を重ね、文章にまとめるという作業は、まさに創造の連鎖と言えるでしょう。
年に一回開催される、モノづくりが好きな人たちの発表の場Maker Faire*1に足を運ぶと、若い世代のエネルギーにいつも圧倒されます。私の質問に一生懸命説明してくれる。自慢してくれる。「何か面白いものを作りたい」、「自分の思いを世に出したい」 といった衝動が、すべての出展者に宿っています。
一方で出版社主催のオフラインミーティングの場では、年配の方も多く参加され、皆さん思い思いのテーマで語り合っています。
やはり日本人の心の奥底には、年齢を問わず、何かを作りたいという思いが息づいているのだなと感じます。
*1
Maker Faire: 地上最大のDIYの展示発表会。日本ではMaker Faire Tokyoとして年に1回東京ビッグサイトにて開催されている。


写真1: 土壌水分センサーとMicroPythonで自動水やり器を製作

仕事で触れるスケールの大きな“創造”

会社の仕事では、個人では到底扱えないような高価で高性能なマシンを扱います。
特に、生成AIシステムを実行するためのサーバー・ストレージ・ネットワークの設計やパブリッククラウドを活用したシステムの統合設計を通して、アイデアが実際のサービスや業務システムとして形になる瞬間に立ち会えるのが、私の職場の最大の魅力です。実際のお客さまが利用するシステムに結びついた設計・構築を経験できることで、抽象的な技術知識が生きたシステムへと変わっていくという体験は、何物にも代えがたいものです。
このような体験は、ものづくりという視点では“創造”という過程が基礎になっているのでしょう。ものを作る楽しさは趣味と同じ根っこにある。それを日々実感しています。

趣味の世界で味わう自由な創作

もちろん、仕事と趣味では性質が違います。
趣味の世界では、多少失敗して動かなくしてしまうこともありますし、設計を誤って電源をショートさせ、マイコンを破壊してしまうというような事態に至ってしまうこともあります。私も何度も経験しました。しかし、そんな自由さがあるからこそ、思い切った発想が生まれます。AIツールを使って試作を繰り返したり、思いつきをすぐプログラムにして動かしてみたり、その気軽さが次の発見につながります。
「安全に失敗できる場」こそ、創造の源泉だと私は思いますし、そのような経験が仕事にも生きてくるものと信じています。


写真2: Raspberry Pi×14台でクラスタコンピューターを体験

AIが広げる“つくる人”の可能性

生成AIは、人の創造を奪うものではなく、むしろ広げる道具です。
AIがコードや文章を提案してくれることで、私たちはより多くの時間を“考えること”に割けるようになりました。「何を作るか」「どんな体験を生み出すか」に集中できる。その変化は、これからのエンジニアリングを大きく変えていくでしょう。技術は“誰かに使われるもの”ではなく、“誰もが使いこなせるもの”になりつつあるのです。
AI時代のものづくりは、人間の想像力を拡張する共創のステージだと言えるでしょう。

“つくること”を楽しむ仲間と

仕事でも、趣味でも、私が感じる一番の魅力は「作るって楽しい」ということです。
AIが支援してくれる時代になっても、その本質は変わりません。技術の世界はますます広がっています。そのような世界にあって、自分の手で何かを作り出し世界を少しだけ面白くする
― そんな挑戦を続ける人たちと一緒に、未来を作る仕事をしていきたい。それが私の願いです。


2026年2月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 DCエンジニアリング本部 第3部 宮田 賢一


※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。