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会うことの次に素敵なこと

ネットワーキング事業部 シニアアドバイザ 森 隆

キーワード

  • #IPT
  • #電話機
  • #コミュニケーション
  • #ネットワーク

ネットワーキング事業部の森といいます。私は入社以来30年以上ネットワークの仕事に携わってきました。本日は日頃からネットワークについて思うことを書いてみます。

私にはネットワークという分野を考えるときにいつも思い出す話があります。
19世紀末のアメリカではすでに全国規模の鉄道網が整備されていました。20世紀に入ると、ベルが発明した電話による全国ネットワークの整備が始まりました。鉄道事業の関係者は危機感を覚えます。もしも電話でいつでも話せるようになったら用件はそれで済んでしまうので鉄道利用者は減ってしまうのでないか、というものです。さて、電話ネットワークの建設は順調に進み稼働が開始されました。するとどうでしょう。鉄道利用客は減るどころか逆に増えたのです。
なぜだと思いますか?

それは電話を使うことによって会う約束ができることになったからです。それまでは鉄道を使って会いに行っても違う場所に行っていたり、別な用事があったりで会えないことが多かったのです。それが電話を使うことで事前にきちんと約束できることになったわけです。

こうして考えてみると人というのは人に会うことを一番に考えるものだと言えると思います。アメリカの例でいうと鉄道などを使って会いたいと思う人たち、例えば家族が抱き合うシーン、旧友同志が握手するシーン、そうした笑顔のシーンを電話のネットワークが支えていたということです。

私はネットワークという分野は、人が実際に会うというこの一番素敵なことに対して、その次に素敵なことを提供しているのだと考えています。

アメリカの電話ネットワークの建設以降も通信技術とネットワークは発展を続けてきました。
近年のインターネット技術の進展によって電話の音声だけではなく動画やさまざまなデータも取り扱うことが可能となり、遠く離れた人たちがあたかも同じテーブルに着いているように会議をすることもできるようになりました。人が実際に会うことには到底かなわないかもしれませんが、できる限りそれに近い形として人々に笑顔を提供したい、というのがその原動力となっています。

そして現代、予想もできなかった感染症の拡大、地政学的な脅威により「会う」という人にとって一番素敵なことが脅かされ始めています。こうした情勢の中でネットワークの位置づけはさらに重要なものになっていると感じています。

当社はこれからも新しい時代、そしてお客さまにマッチしたネットワーク製品、そしてサービスを提供してまいります。会うことの次に素敵なこと、ネットワークという分野に寄せられる皆様の期待は大きく、我々の責任も重大です。我々に大切なことはそれを使っていただく皆様の気持ちに立って考え、その方々一人一人の笑顔をいつも思い浮かべながら新しい製品、サービスに取り組んでいくことだと思います。

株式会社 日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 シニアアドバイザ 森 隆