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いつも当コラムを読んでいただき、ありがとうございます。
この夏は、猛暑の影響で冷房が欠かせない日々が続きそうで、値上げが見込まれる電気代も心配です。
改めて、私たちは日々どのくらいエネルギーを使っているのでしょうか。
エアコンをつける時間が少しずつ長くなったり、電気料金の明細を見て「今月は高いな」と感じたり。
そんな小さな実感から、エネルギーのことを意識し始める方も多いのではないでしょうか。
生活する上で無駄なエネルギーとはどのようなものでしょうか。
家庭に供給される電気も、実際にはすべてを有効に使い切れているわけではありません。摩擦や抵抗、放熱などによって、電力の一部は回収しにくい形となり失われていきます。
例えば、スイッチを切っていても電流が完全にゼロになるわけではなく、ごくわずかな電力が消費され、熱として放出されています。
家を出るときに照明は消しても、Wi Fiルーター、キッチン家電などは、そのままになっていることが多いかもしれません。
私たちの身の回りには、「使っていないつもりでも、完全には止まっていない」ものが意外とあり、その間に消費される電力を「待機電力」と言います。
ただし、これは単なる無駄とは言い切れません。
リモコン操作を可能にしたり、「いつでも使える状態」を維持したりするために、あえて消費されているエネルギーでもあります。
では、こうした“常に消費し続けるエネルギー”は、人間にも当てはまるのでしょうか。
例えば、何もしていないつもりでも、頭の中では次の予定を気にしたり、仕事や家のことを考えたりしているものです。
人もまた、見えないところで“待機”し続けているのかもしれません。
以前のコラムでも少し触れましたが、人間の脳の消費エネルギーは安静時で約20Wだそうです。
大まかな計算ですが、一日の摂取カロリーが2,000kcalだとして換算すれば、エネルギー量としては約2.3 kWh/日に相当します。
人は平均すると常に100W程度のエネルギーで動いている計算になります。

そのうちの約20%を脳がエネルギーとして消費していることになります。ちなみに手元にあるノートPCの消費電力は45Wぐらいです。
人間一人あたりのCO2排出量については、呼吸などに伴い一日約1kg程度とされており、これを一日のエネルギー量で割ると、エネルギーあたりのCO2排出量は約0.43 kg-CO2/kWhとなります。
これは、ある電力会社のCO2 排出係数の約0.42 kg-CO2/kWh@2024年度と近い数値です。
CO2排出からカーボンニュートラルの話として次のブログがありますので、ここでご紹介します。
■今回のピックアップ・ブログ
活動しているときだけ、ON、すなわちエネルギーを使うようにするということは人間にはできないことです。
冬眠で消費を抑える動物もいますが、睡眠中であってもエネルギーの消費がゼロにはなりません。
同様に、システムにおいても、毎日使う機器では起動時の電力を抑えるためにつけっぱなしで待機させておくことが必要なこともあります。
また、プラグの抜き差しは突入電流によってケーブルやプラグにダメージを与えることもあるため、スイッチ付コンセントを使う手もあります。
人間もシステムも止められない消費を持つ以上、重要なのは“いかに制御するか”です。
無理に止めるのではなく、状況に応じて最適に使い分ける視点が求められています。

とはいえ、毎日の暮らしや仕事の中で、エネルギーの使い方を一つひとつ意識し続けるのは簡単ではありません。
便利さや快適さを保ちながら、無理なく整えていく仕組みが求められています。
その役割を担いつつあるのがAIです。人が細かく気にし続けることが難しい領域を補完する存在ともいえます。
人が意識しなくても、エネルギーの使い方を最適化・制御できるようになりつつあります。
例えば、エネルギーマネジメントの分野では、これまで電力料金の時間帯や設定ルールに基づいて、蓄電池の充放電タイミングを制御する仕組みが使われてきました。
最近ではこれに加えて、フィジカルAIが天候や電力需要、過去の使用パターンなどをもとに将来の電力使用を予測し、より最適なタイミングで充放電を行うといった制御も実用化されつつあります。
人が個別に判断しなくても、エネルギーの使い方そのものを先回りして整えていく―そんな制御のあり方へと進みつつあります。
「減らす」ことだけを考えると少し息苦しく感じることもありますが、「うまく付き合う」「上手に整える」と考えると、できることが見えてくるかもしれません。
次回は本記事とも深くかかわるエネルギーのバックアップ、電池の話をさせていただきます。
2026年7月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
経営戦略本部 ブランド・コミュニケーション部
阿部 哲也
※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。