昨今のコンタクトセンターの課題とは?
昨今のコンタクトセンターでは、お客さまからの問い合わせの内容が多様化しています。
企業のさまざまな商品において、インターネットと連動した付加価値が登場したことで、コンタクトセンターで応対するオペレーターの方々には幅広いスキルが要求されるようになってきました。
オペレーターの方々は通常、約2〜3カ月の導入教育ののち実際の業務に入るのですが、こうした変化を受けてその離職率の高さが問題となっています。これを受けて、コンタクトセンターの昨今の大きな課題の1つは、オペレーターの方々の満足度向上による離職率の低減になっています。コンタクトセンターを運営する企業側では、働きやすい環境作りとオペレーターの方々の離職率を低減する2つの施策を実施しています。本日はその2つの施策をご紹介します。
在宅での応対業務に必要なこと
施策の1つ目は、働きやすい環境作りとして「在宅での応対業務を可能にすること」です。
コロナ禍での働く環境として、在宅での応対業務実施のニーズが高い状況にあります。
在宅での応対業務を可能にするには、応対業務中に問い合わせの応対に困ったときに支援を受けることができる環境が必要です。オンサイトの様に管理者が同じフロアにいれば、適宜支援を受けることができます。しかし、在宅ではそうした支援を受けられませんので不安の中業務を遂行することになります。そのため、わからないことを手軽に検索できるFAQや、ビデオ通話を使って管理者の支援を遠隔で受けることができる環境が必要となります。
そして、在宅で業務を実施する際、企業の機密情報が悪意のある攻撃により漏洩しないよう、そのシステムはセキュリティ対策によりガードされなければなりません。利用するシステムのセキュリティを高める必要があります。
オペレーターを支援するAIの登場
施策の2つ目は、オペレーターの方々の離職率低減として「多様化する問い合わせへの応対をシステムが支援すること」、「応対を自動化しオペレーターの方々にかかる負担を軽くすること」です。
昨今では、音声認識技術により、問い合わせ電話の音声をシステムがテキスト化することが可能となりました。電話をかけてきた人の会話の内容のテキストをAIが分析して、FAQにある回答候補を自動的に検索して画面に表示します。また、問い合わせ電話に対しシステムが回答を自動的に検索し、その結果をコンピューター音声で発話する自動応答(バーチャルオペレーター)が登場しました。このようなAI技術の登場により、システムが自動でリアルタイムにオペレーターの方々を支援する動きが加速しています。
テレビコマーシャルなどで、コンタクトセンターでオペレーターが電話を受けている様子の映像をご覧になった方も多いと思います。コンタクトセンターは、電話を受けるだけでなく、今回取り上げたような課題や施策に日々取り組んでいます。
日立情報通信エンジニアリングはネットワーキング事業の一環として、在宅勤務を可能にするビデオ通話やセキュリティ強化に向けたシステムをご提供するとともに、会話を音声認識でテキスト化し、FAQからの自動検索や会話を自動評価するシステムをご提供しています。詳しくは関連リンクからご覧ください。
2022年11月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 キャリアネットワーク本部 キャリアプロダクト部 主管技師 石山 昌孝
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