無停電電源装置とは?
昨今の天候不安定な状況下において、突然の停電、短時間供給停止(瞬電)が増えてきています。停電時に、コンセントから電源供給されているパソコン、ハードディスク、サーバー、モデム、ルーターなど、予期せぬ停電から機器が故障したり、業務やサービス提供ができなかったり、作成途中の資料のデータが消えたりという経験をした方が多いのではと思います。
このような状況下でも無停電電源装置(以下UPSと略す)は一次側の電源が供給されない時でも、バッテリーに蓄えられた電源から安定した電力を供給できる装置となります。
データの消失を防ぐことが可能に
この特長を活用することで、IT機器などの稼動(業務継続)やソフトウェアの障害、データの消失を防ぐことが可能となります。
主にデータセンタ、無人店舗や施設、医療現場などに設置されており、常に動かし続けなければならないシステム、顧客や金銭にかかわるデータ、必要な手順を踏まなければ破損してしまう機器など、産業を生活の基盤には電気が必要となっています。
縁の下の力持ち
このように縁の下の力持ちであるUPSは皆さんが勤務されているオフィスや学校、商業施設など目に触れるところに設置されていることはありません。
ATMなどの無人店舗や山奥にある通信設備など、停電時など人が駆け付けるまでに時間が掛かるような場所に設置されていることも多く、このような場所での電力の供給継続には不可欠な装置になっています。
これらの装置を遠隔から操作するにしてもリモート操作するにも、ネットワーク機器であるルーターの電源が切れてしまっては何もできません。UPSがあれば、ルーターに電源の供給を続けることで、人が駆け付けるまでに現地の状況を確認したりすることも可能となります。
今後重要性が高まっていくUPS
停電や瞬電することで稼働している機器が再起動されるまでの間、サービス提供は停止し、また瞬電を繰り返すことで装置の故障リスクが高まります。また、人が駆け付けるまでに時間が掛かるような場所では、UPSの供給電力を遠隔制御することで、計画的な装置の再起動が可能に、また停止することでメンテナンスすることも可能となっています。
今後も天候不順な状況が予測されるため、停電や瞬電に電源を供給し装置など稼動を続けることができるUPSの重要性は今後ますます高まっていくと思われます。
2022年10月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 エンタープライズネットワーク本部 プラットフォームプロダクト部 専任部長 松下 幸弘
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