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“オープンにつなぐ”時代の安心安全なITシステム

ネットワーキング事業部 技師長 井上 充

キーワード

  • #ネットワーク
  • #セキュリティ
ネットワーキング事業部の井上です。私は現在ネットワーキング事業に携わっていますが、以前はストレージ製品の開発をしていました。
本日はストレージのエンジニア時代の思い出と、ネットワーキング事業への思いをご紹介させていただきます。

“世界一”を作りたい

私がストレージ製品開発に関わり始めたのは25年ほど前になります。この時期は半導体技術が急速に進歩する中、ITシステムは集中処理を基本とするメインフレームから分散処理を基本とするクライアントサーバー型に急速に移行していました。CPUの処理性能向上に加え分散処理化が加わり、ITシステムの処理能力や機能が大幅に向上、ストレージも性能・機能の大幅な強化が求められた時代です。最新技術を素早く使いこなし、お客さまに世界一のストレージと言っていただける製品を作りたいと、若いながらに考えていたと記憶しています。

当時のストレージ製品の開発において最重要であったこととは?

ところで、この様なストレージ製品の開発において最重要とした要素は何だと思われますか。IT製品の競合力は一般的に機能性、性能、信頼性、価格で決まりますが、ストレージの場合は信頼性、特にデータの保全を最優先事項としていました。これは、ITシステムにおいてすべての基本はデータであり、その起点となるストレージではデータの正当性を確実に守る(保全する)ことが、安心して使用していただく為の絶対事項との考えからです。“データの棄損は絶対に防ぐ”との合言葉のもと、データ保護コードや制御のコンペアチェックなど、ハードウェア/ソフトウェアの異常を漏れなく検出し状況に応じてデータ修復する仕組みについて、日々喧々諤々の議論を行い最優先で作り込んだと記憶しています。

それだけでは足りない、現代のITシステム

さて、現代でもデータの正当性がITシステムを安心して使用していただく為に最重要であることは変わりません。ただ、現代は専用のクローズネットワークだけでシステムを構成するケースは少なく、インターネットなどオープンなネットワークを併用しクラウドを含む多数のITコンポーネントを“つないで”構成するシステムが主流になっています。この為、各ITコンポーネントの異常に対しデータを保全することは当然必要ですが、オープンネットワークにつながる故に生ずるデータ棄損のリスクに対処すること、またオープンネットワークを通して安定確実にデータをやり取りできることが非常に重要になっています。

“オープンにつなぐ”時代のITシステム構築に貢献

当社は、オープンネットワーク活用の為のソリューションを広くご用意させていただいており、また豊富なネットワークSIの経験を持つエンジニアも多数在籍しております。お客さまとの綿密なお打ち合わせによりご要望を正しく理解させていただき、最適なソリューションをご提案し、ネットワーキングの観点から“オープンにつなぐ”時代の安心安全なITシステム構築に貢献させていただきたいと考えています。

2022年9月
株式会社 日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 技師長 井上 充

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※編集・執筆当時の記事のため、現在の情報と異なる場合があります。編集・執筆の時期については、記事末尾をご覧ください。