当社では今年もフレッシュな新入社員72名が、3ヵ月間の新入社員導入教育(ソフトウェア開発)でロボコンにチャレンジしました。ロボコンと言えば、私も過去に若手メンバーとテームを組んでETロボコンというコンテストにチャレンジした事があります(10年以上前の古新聞ですが)。
ETロボコンは、組込みシステム技術協会が主催するレゴ®社MINDSTORMSを用いた組み込みソフトウェア技術を競うコンテストです。まずはロボットの機能と構成をモデル化し、制御するプログラムを開発、そしてそれを搭載したロボットを実際のコースで走らせてそのスピードと安定性を競うものです。
図1. 走行体概観図(出典元:ETロボコン)
まず、設計モデル審査に向けてのモデリング定義にはUMLという標準言語を用いることとしました。UMLは仕事では未使用でしたが、いつか立ち上げるべき技術と考えていたのでちょうど良い機会と考えました。UML言語を基礎から学習してロボットを前に徹底的なモデリングを行いました。なんとかモデリングは完了し、続いてコース走破に向けたプログラムに着手しました。UMLによるモデル化のおかげで設計はスムースに進みました。さっそく実際のコースを使って走らせてみると・・・
我々のロボットが、コースを期待通りに走ってくれないのです!それは例えるならまるでよちよち歩きの赤ちゃん!
図2.フィールドの全体図(出典元:ETロボコン)
タイヤと地面の微妙な摩擦力、ハンドルの制御方法、アクセル・ブレーキのタイミングなど私たちが想定したものと現実があまりに違っていたためです。つまりきちんと走らせるための経験が足りなかったのです。さて、そこからが大変!私たちは幾度となくコースを走行させデータを収集、それを丹念に分析しフィードバックすることでロボットの動きを成長させていきました。このデータ収集と分析に多くの時間を費やしました。分析したデータをロボットにフィードバックしていく過程は、ちょうど子供が日々の経験をもとに成長していく姿と重なりました。次第にたくましく成長していく姿に頼もしさを感じたこともあります。
コンテストの結果は?我々としては満足いくものだったのですが残念ながら全国大会出場までには至りませんでした。今回、新入社員の皆さんの発表会を見ていて、自分の昔の苦労話を思い出して、同じような苦労をされたのではないか、と思い至った次第です。
さて、現代においてデータ分析との活用はいろいろな分野で実用化が進められています。さまざまな形のデータがネットワークを介して収集され、そのデータをどう分析してどう活用するかがシステム、サービスの高度化のカギを握っています。つまりデータというのがこれからのDXビジネスの価値の源泉となります。当社はこうした社会に散在する膨大なデータを最適なネットワークで効率よく収集し、その分析と活用を通じて新たな価値を創造していきます。そのためにもあらゆる事業領域をターゲットにデータ活用の意義とその可能性を探っていきたいと思います。
2022年7月
株式会社日立情報通信エンジニアリング
ネットワーキング事業部 キャリアネットワーキング本部 主管技師長 杉本伸一
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