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Hitachi

株式会社 日立情報通信エンジニアリング

ICT@ETモノづくりNews Vol.9
音声録音システム「RecwareIII」

最高水準の性能とクラウドシステムへの対応で、小規模から大規模までスケーラブル

2011年9月

営業窓口

音声録音は、コンタクトセンタでのオペレータの顧客応対スキル向上や、お客さまとのトラブル防止、お客さまの生の声を関連部署へ伝える手段などに活用されています。最近では一般オフィスでも、企業のコンプライアンスや内部統制への対応として、証拠保全や証跡管理の観点から、「日々の業務で取り交わされる会話をすべて録音したい」というニーズも高まっています。このような要望に応えるため、当社はコンタクトセンタやオフィスで利用可能な音声録音システムを提供しています。その最新製品が「RecwareIII(レックウェア・スリー)」です。RecwareIIIは、世界最高水準の性能と、クラウドシステムへの対応を実現しています。これにより、小規模システムから大規模システムまでのスケーラブルな対応と、オンプレミス(自社運用)型からサービス型まで各種システム形態に応じた柔軟な対応が可能になりました。

すべての会話を録音する

ビジネスシーンにおいては、あらゆる場面で会話が交わされます。その中でも特に重要なのは、お客さまとの電話での会話です。企業間の交渉であれば通常はオフィスで行われます。一般消費者向けには専門のコンタクトセンタ(コールセンタ)が用意されていることもあります。いずれの場合も、電話によって製品・サービスに関する問い合わせ対応や、注文受付、契約などといった重要な情報が交わされます。場合によっては、クレームの声などが寄せられることもあります。

このようなさまざまな場面で行われる会話をすべて録音しておくことで、ベテランオペレータの優れた応対を新人オペレータの教材として利用してお客さまへの応対品質を高めたり、録音した応対内容やお客さまの発言内容を再確認することで齟齬を未然に防止するなどして、顧客満足度の維持・向上に役立てることができます。
また、企業の内部統制を強化し、CSR*1対応に役立てることができます。例えば、金融商品の取り引きでは、商品の特徴やリスク、責任範囲などについてお客さまに説明しなければなりません。そのような電話での会話を録音しておけば、実際に説明が行われていたことを証明することができます。さらに、会話を録音しておくことで、会話に起因する問題を正確に把握し、迅速に適切な対応を行うことができます。加えて、「会話が録音されている」という事実により、応対する社員自身の意識向上が図れ、結果として企業のコンプライアンスに寄与します。また、定期的に聞き起こしを行ったり、監査時の証跡として録音された会話を活用することで、CSRの観点から見た業務の見直しも可能になります。

このような背景から、当社は、CTI*2関連製品の長年の開発実績を基に、「録音システム」を提供しています。これは、電話などで行われるすべての会話を録音可能にするシステムです。録音した音声ファイルをサーバで一元管理し、ウェブベースで検索・再生を容易に行うことができます。さらには、音声認識システムと併用したり、データベース化された音声ファイルをCRM*3システムなどと連携させて検索・再生させることも可能になります。以下に、音声録音システムを利用した場合のメリットを、コンタクトセンタ、オフィスのそれぞれのケースについてまとめます。

*1
Corporate Social Responsibility
*2
Computer Telephony Integration
*3
Customer Relationship Management

コンタクトセンタでの音声録音の利用メリット

  • お客さまにコールバックすることなく、通話内容の再確認が行える
  • 通話内容を録音していることをオペレータが意識することで応対品質の改善を図ることができる。結果として、顧客満足度の維持・向上を実現できる
  • お客さまの生の声を関連部署に伝えることで、ニュアンスまで含めた情報の伝達が行える
  • オペレータのスキルアップ教育に利用できる。自身の対応を聞き直したり、優れた応対の例と比較することで、応答の問題点・課題を認識し、自らの対応を改善することができる

こうしたことから、コンタクトセンタを、応対品質の優れたコミュニケーションシステムへと進化させることができます。

図1.コンタクトセンタでの利用シーン
図1.コンタクトセンタでの利用シーン


オフィスでの音声録音の利用メリット

  • 音声データから得た情報を分析することにより、隠れた課題や市場ニーズの顕在化が図ることができる
  • 音声でやりとりする企業活動の内容を確実に保存し、正確に把握して活用することができる
  • 内部統制の多面的な強化を図ることができる

このようなメリットが得られることから、オフィスに音声録音システムを導入することで、企業のコンプライアンスとマーケティング力の強化を図り、顧客満足度を向上させることが可能になります。

図2.オフィスでの利用シーン
図2.オフィスでの利用シーン


「次の課題」の解決に向け、進化する製品

当社が録音システムとしてまず最初に製品化したのは、コンタクトセンタシステム向けの通話録音システム「Recware」です。各種の電話機(アナログ電話、IP電話、ソフトフォン)に接続して録音するもので、送話/受話がミキシングされた録音を行います。

しかしながら、録音しなければならないのは、電話の通話だけではありません。そこで、マイク類なども含めて、IPを利用した音声のやりとりであれば、すべて録音できるように音声録音システム「RecwareII」を開発しました。ネットワークから音声を取得するため既存の音声環境に手を加えず、また録音用のPCも必要としないため導入し易いという特長があります。また、送話/受話を分離録音するため、音声認識システムとの連携すると精度の高い音声認識が可能となります。

録音済みの音声ファイルの検索が容易であることも特長の1つです。録音時には、その会話が行われた時刻や、電話番号、IPアドレスなどの基本情報が検索用のタグとして自動的に付加されます。さらに、IP-PBX/CTIシステムやCRMシステムと連携することで、オペレータの名前や会話の内容のカテゴリなどを独自の検索用タグとして付加することも可能です。検索タグ付加・検索・再生などの連携用API*4も提供しています。

そして、上記のRecwareIIをさらに大きく進化させたものが「RecwareIII」です。この製品は、コンタクトセンタやオフィスにおける以下のような課題の解決を目指して開発されました。

  • 複数の拠点に存在するコンタクトセンタの統合化やクラウド化への対応
  • システム規模に応じた柔軟かつスケーラブルな対応
  • コンタクトセンタの規模拡大への対応

*4
Application Programming Interface

RecwareIIIがもたらす新たなメリット

RecwareIIIを利用した録音システムの基本的な構成を図3に示します。RecwareIII自体は、大きく「ロガー」と「音声録音マネージャ」の2つのブロックに分けられます。IP-PBXを経由する通話を含んだネットワークのパケットを、スイッチのミラーポートを介してロガーに入力します。ロガーは、フィルタリング機能により音声パケットのみを取り出し、その音声パケットから音声ファイルを生成し、マネージャに送ります。マネージャは、音声ファイルを保存、管理します。また、マネージャにて検索機能も提供します。

図3.音声録音システム RecwareIII 概略構成
図3.音声録音システム RecwareIII 概略構成


世界最高水準の処理性能により大規模システムに対応

前機種RecwareIIのロガーは、専用ハードウェア(録音ボード)とソフトウェアで構成されていました(図4-(a))。RecwareIIIでは、ロガーで行う処理をすべてソフトウェアのみで実現可能としました(図4-(b))。録音制御のソフトウェア処理を最適化することによる性能向上に加え、RecwareII当時よりもサーバ機器の性能が向上したことも相まって、ソフトウェアだけでRecwareIIをはるかに越える性能を達成できました。具体的には、RecwareIIではロガーあたり同時に録音できる通話数は120でしたが、RecwareIIIでは1,000まで向上させました。

また、専用のハードウェアを使用することなくソフトウェアで処理を実現しているので、例えば既存のサーバ資源を使用して録音システムを構築することにより、コスト、スペース、消費電力などを削減することが可能になります。

図4.ロガーのソフト化と性能向上
図4.ロガーのソフト化と性能向上


クラウド対応によりサービス利用も可能に

ITシステムのコスト低減や災害対応などの面からクラウドが注目を集めています。
RecwareIIIでは、ロガーのソフトウェア化を実現したことにより、クラウドシステムに求められるサーバ仮想化環境への対応が可能になりました。

前機種であるRecwareIIのロガー部には専用ハードウェアが存在するため、仮想サーバ環境に適用できませんでしたが、RecwareIIIのロガーはすべてソフトウェアで構成されているので、仮想サーバ上での動作が可能です*5。このことから、従来のようにサーバ設備を自社で導入してシステムを構築・運用するオンプレミス型はもちろん、データセンタの仮想サーバを利用したSaaS*6やPaaS*7などのサービス型にも対応できます(図5)。
数十席規模の問い合わせ受付システムの録音や、一部の部署の通話録音など、小規模の音声録音システムも構成できます。

*5
すべてのパケットを取り込む処理が必要なので、ドライバに近い処理の最適化が行われています。
*6
Software as a Service
*7
Platform as a Service

図5.サービス型のクラウドシステムにも対応可能
図5.サービス型のクラウドシステムにも対応可能


小規模から大規模までスケーラブルに対応

RecwareIIIでは、必要な通話録音数に応じたソフトウェアライセンス体系で提供できるため、最少1通話から利用することが可能になります。これにより、システム規模の拡大や縮小に柔軟に対応でき、最適化されたコストでの利用が可能になります。

また、大規模なコンタクトセンタや全国の拠点に散らばるオフィスなどの通話録音を、センタで集約して行うことも可能です。
RecwareIIIの音声録音マネージャは、1台あたりロガー10台を管理できるため、マネージャあたりの同時録音通話数を前機種の1,200から、10,000まで向上させました。録音ファイルの保存数の増加には、マネージャのストレージを増加することで対応できます。
さらに、10,000席を超える大規模なシステムへの対応として、複数のマネージャの統合管理を可能としました。この機能によって、複数のマネージャが管理する音声ファイルを横断的に検索する「串刺し検索」も可能です(図6)。

図6.RecwareIIとRecwareIIIの違い
図6.RecwareIIとRecwareIIIの違い


耐障害性の向上

専用ハードウェアを使用する場合、そのハードウェアを構成する部品の寿命や故障の発生に備える必要があります。RecwareIIIでは専用ハードウェアを使用しないことにより、耐障害性を向上させました。

そのほかの特長

RecwareIIIは、自社開発・国産技術で実現された製品です。そのため、充実したサポートの提供が可能です。また、当社コンタクトセンタシステム iCTNET/IXと連携することで、オペレータ情報やCTI情報と関連付けた検索が可能となります。今後は、他社のIP-PBXやコンタクトセンタシステムとの連携にも対応していく予定です。
RecwareIIIは、前機種RecwareIIとの互換性を有しているので、RecwareIIを利用した既存の音声録音システムとの混在や、RecwareIIIへのアップグレードも容易に実現できます。


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