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株式会社 日立情報通信エンジニアリング

ICT@ETモノづくりNews Vol.4
光伝送技術・高速(高周波)伝送技術のご紹介

〜情報通信機器の装置間・装置内の高速大容量インタフェース技術を提供〜

2010年5月31日

営業窓口

放送と通信の融合、NGN時代の本格的な到来にともない、安全で確実な高速大容量伝送技術への期待と重要性がますます高まっています。情報システムのデータに加えて、映像・音声・電子書籍など個人の扱うデータ量も爆発的に増えています。これまで基幹回線で使われてきた光伝送技術は、さまざまな装置間の高速大容量インタフェースや装置内伝送にも用いられるようになりました。
また、社会インフラを支える企業のプライベートクラウド構築を実現する高速伝送技術として、ギガビット・イーサやFCIP*、数十GHz帯の高周波アナログ技術などが求められています。

当社は、日立製作所の大型情報機器・基地局開発・光伝送技術開発に携わり、最先端の技術に取り組んでまいりました。今回は当社の光伝送技術ならびに高速伝送技術のワンストップソリューションを紹介します。

*
Fibre Channel over IP

目次

1. 光伝送・高速伝送のモノづくりトータルソリューション

(1)ワンストップソリューション

(a)要素研究や商品開発に集中できる環境をワンストップソリューションで提供

お客さまが要素研究や商品開発に集中できるように、お客さまのアルゴリズムを実現するためのコンサルティング、仕様化、方式設計、シミュレーション、実装解析、システム設計・製造、評価・検証など、どのフェーズでもワンストップで技術と組込みエンジニアリング商品を提供いたします。光伝送や高速伝送に関する悩みは、ぜひ当社にご相談ください。

ワンストップソリューション
ワンストップソリューション

サービスの流れ(例)
サービスの流れ(例)

(b)ICから装置まで

光伝送向けの高速アナログASIC・光モジュール・光伝送装置・高速伝送装置などさまざまな開発実績があります。
高周波アナログ(光伝送、高速伝送)、アナログASIC、FPGA(論理)、マイコン(ファームウェア)、制御コンソールアプリケーション、シミュレーションの各種技術を駆使して、高品質の設計および試作製造を行い、お客さまに提供します。

(2)組込みエンジニアリングソリューション(解決策)提供の流れ

(a)仕様検討から詳細設計まで

お客さまの悩みや実現したいことを伺って、方式検討・アルゴリズム検討・仕様化をおこない解決策を提案します。
方式設計のフェーズでは、モデル化・シミュレーションを実施し、要素技術の解析や設計条件の抽出をおこないます。
詳細設計のフェーズでは、高周波解析・回路設計・実装解析を実施します。徹底した事前検証をおこないますので、IC・LSI・ボードなどの再製造リスクを大きく低減することができます。

仕様検討から詳細設計まで
仕様検討から詳細設計まで

(b)ノウハウを活かした開発手法を提供

コンサルテーションや仕様検討をおこなう際にも、理論や規格を熟知したモノづくりのエキスパートが、お客さまに最適な解決策を提案します。

ノウハウを活かした開発手法
ノウハウを活かした開発手法

2. 当社の光伝送技術・高速伝送技術の特長

(1)高周波アナログ設計技術

光、無線通信用伝送装置等の開発で培ったコア技術(数十GHz帯高周波アナログ技術、最先端通信用ハードウェア技術)により、光伝送システム、RF無線モジュール、高周波アナログ・デジタル混在LSI開発等の設計サービス、高速伝送シミュレーションサービス、および試作製造サービスを提供します。
標準化された伝送方式への対応はもちろん、規格化された光部品を活用してのカスタマイズや、新たにIC開発を必要とするフルカスタマイズにも柔軟に対応可能です。

光伝送の特長と応用分野

大容量
光は非常に高い周波数の電磁波であり、その特長を生かした広帯域伝送が可能です。放送、医療分野などで、特に画像圧縮による画質劣化や伝送遅延が許されない場合や、一度に大量の画像を送る必要がある場合には広帯域の光伝送が適しています。
長距離
光ファイバは非常に低損失の伝送媒体です。例えば、波長が1.5µmのレーザ光を石英ガラスの光ファイバに通した場合、1kmで約7%、10kmでも約50%しか信号パワーは減衰しません。また、光ファイバアンプ等を使用すれば減衰した信号パワーを増幅することもできます。これらの特長を生かし、数km〜数百kmの伝送が可能です。
電磁波の影響を受けない
光ファイバ中の信号は、通常の使用状態では周囲に電磁波を漏えいしたり、また、周囲の電磁波の影響を受けることがありません。発電所、変電所や高磁場化での伝送など、電気伝送にとって過酷な環境下では光伝送が適しています。

(2)シミュレーション技術(高速伝送路解析・電磁界解析)

部品の性能をより発揮させるには、高い実装技術が必要です。当社では、高速伝送路解析や電磁界解析技術のノウハウを駆使した高度な実装技術をもって、高性能かつ高品質な伝送装置を開発・提供します。設計段階からシミュレーションによって信号品質を予測し最適化することで、部品選定や実装設計に起因する再製造リスクを低減します。

当社シミュレーション技術の概要
当社シミュレーション技術の概要

当社シミュレーション技術適用例
当社シミュレーション技術適用例

(a)3D電磁界シミュレータ Ansoft HFSS (High Frequency Structure Simulator)

  • RFおよびマイクロ波のコンポーネントをはじめとしてアンテナ、高速集積回路(IC)、プリント基板、ICパッケージなど、あらゆる分野に適用可能。
  • モデルパラメータの抽出により、周波数ドメイン、時間ドメインの性能評価が可能。
  • 回路図には表現されないレイアウトや3D構造に起因する電気特性を解析可能。

HFSSを使ったシミュレーション

(b)高周波シミュレータ Agilent ADS (Advanced Design System)

  • 周波数、時間、物理ドメインなど、広範囲でシミュレーションが可能。
  • 増幅器、ミキサ、VCO、PLL、AGC、変調器など、通信機器の各種回路に対して、高速かつ広範囲な特性評価を行うことが可能。
  • HFSSとの連携により、3D構造に起因する波形評価が可能。

ADSを使ったシミュレーション

(c)シミュレーションを利用した高周波設計例

40Gbit/s用IC&パッケージの協調設計
基板搭載部BGAパターンやICチップ搭載部40G伝送ラインのモデリングをおこない、HFSSによるモデルパラメータの抽出にて等価回路を作成してADSシミュレーション解析を実施しました。

40Gbit/s用IC&パッケージの協調設計

10Gbit/s用スタックコネクタの解析と最適化
HFSSによるモデリングをおこない、ADSシミュレーション解析を実施しました。他信号との干渉などの劣化要因を分析し、PIN構造を変更して干渉を低減するという対策を実施しました。

10Gbit/s用スタックコネクタの解析と最適化

3. 開発事例

事例1. ハイビジョン多重化伝送モジュールの開発

ハイビジョン映像伝送システムでは、通常は映像信号ごとに伝送ケーブルが必要です。伝送ケーブル配線をスリム化したいとのご要望に応えるため、16チャネルのハイビジョン信号を非圧縮のまま光ファイバ1本で伝送する組み込み向け伝送モジュールを開発しました。全てのチャネルを使用することでスーパーハイビジョンの伝送にも適用可能です。

スーパーハイビジョンとは現在のハイビジョンの16倍の画素数を持つ超高精細の映像規格で、非圧縮の場合、約24Gbit/sの大容量伝送が必要になります。日本では2025年の本放送を目指して研究開発が進められています。

【当社の技術】

本開発では、当社の得意とする信号多重技術と波長多重光伝送技術を用いて、3波の10ギガビット光信号を波長多重してシングルモードファイバ1本で伝送する方式を採用しました。
FPGAの高速インタフェースの利用と信号多重技術により部品点数を削減して、さらに通信向けの小型光モジュールの採用や高密度実装を行うことで、送受信部全体の小型化を実現しました。
また、低価格の光部品を利用することができるCWDM(低密度波長多重)方式を採用し、装置全体のコスト低減にも貢献しました。

ハイビジョン多重化伝送モジュール
ハイビジョン多重化伝送モジュール

事例2. 頻繁な着脱への耐性向上と接続部の回転を可能にした非接触高速伝送コネクタおよびボードの開発

高速データ通信を行う医療システムでは、データ伝送ケーブルに対して高度な機能要件を求められます。ある医療システムでは、頻繁な着脱に耐えることができ、コネクタ接点部の汚れ・腐食などによる伝送性能の劣化が無く、さらにコネクタ接続部を回転可能にした非接触・着脱可能型伝送インターフェースを求められました。

当社は、得意の高速伝送技術・光伝送技術を活かして、非接触容量結合と光空間伝送の2つの極近距離無線接続方式を提案し、採用していただきました。

(1)非接触容量結合方式

非接触容量結合方式とは、2枚の金属板(電極)を近接させたときに生じる微小な静電容量を利用した信号伝送方式です。シンプルな構造で実現できる点が特長です。

【当社の技術】

電磁界シミュレーションを活用してコネクタのフルカスタム設計を行うとともに、本方式に適した符号・復号方式を採用することで、高速デジタル信号のベースバンド伝送を実現しました。

非接触容量結合方式の適用例
非接触容量結合方式の適用例

(2)光空間伝送方式

光空間伝送方式とは、変調されたレーザ光を空間中に放出し対向する受光部で受信する伝送方式です。光通信の特性を生かした高速な無線伝送と、波長を変えることによる同一空間での多重・双方向通信が実現できる点が特長です。

【当社の技術】

波長多重分離機能を有する光空間結合器を開発し、上りと下りで異なる光波長を多重化して、同一空間内で双方向の光信号を実現しました。
さらに、接続部のがたつきや挿抜時の差し込みずれがあってもデータ送受信には問題が起こらないように、光結合系を最適に設計して、光軸ずれに対する特性を改善させました。

光空間伝送方式の適用例
光空間伝送方式の適用例

事例3. 高セキュア光伝送装置の開発

次世代ネットワークへ向け、Y-00方式の光通信量子暗号を用いた高セキュア光伝送装置を試作開発しました。従来の暗号では実現困難であった物理層での高い秘匿性、高いリアルタイム性を持つ長距離・大容量伝送システムを実現し、さまざまなネットワークへの適用を目指しています。

高セキュア光伝送装置(試作機)
高セキュア光伝送装置(試験機)

主な仕様
非暗号I/F データレート 2.5 Gbit/s
伝送距離 50 km (中継時 200 km)
暗号I/F 光出力パワー 0 dBm
暗号I/F 光波長 1530〜1565 nm (Cバンド)

Y-00方式による高セキュアネットワーク適用例
Y-00方式による高セキュアネットワーク適用例

Y-00とは、レーザ光が持つ量子ゆらぎ(雑音)を特殊な変調プロトコルにより拡散し信号を秘匿する高セキュア光伝送方式で、量子情報理論、暗号理論、光伝送工学を基盤技術としています。物理現象を効果的に利用することにより、物理層から守られた高度なセキュリティ通信を実現します。

【当社の技術】

Y-00理論の実現には、超高速の多値光変復調技術が不可欠です。当社はこれまでの光伝送装置開発で培った、高速信号処理技術、高速光変調技術、高精度位相同期技術を駆使することで、Y-00伝送装置の開発に成功しました。
さらに装置の小型化を実施するため光モジュール化の技術を適用し、Y-00暗号/復号化部を光モジュールとして集積化することで、容積比で従来の36%の小型化に成功しました。

お問い合わせ

資料請求・お見積もり・ご相談は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

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