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株式会社 日立情報通信エンジニアリング

ICT@ETモノづくりNews Vol.12
デュアルモードRFIDリーダライタ組込みソリューション

パッシブ(短距離)とアクティブ(長距離)のRFIDを活用したM2Mを実現

2012年6月

営業窓口

デュアルモードRFIDリーダライタ組込みソリューション

機器同士が自律的に通信し、さまざまな制御・運用管理を実現するM2M*1の活用が広まっています。M2Mの通信手段の一つであるRFID*2を利用することで、物流管理、機器点検、ならびに資産管理などの業務効率向上を図ることが可能です。

当社は、短距離通信向けの“パッシブRFIDタグ”と長距離通信が可能な“アクティブRFIDタグ”の両方を読み書きできる“デュアルモード組込みリーダライタモジュール”を開発しました。本モジュールをモバイル端末などに組み込むことで、データ読み取りなどの作業効率向上を図ることができます。日立のμ-Chip(ミューチップ)開発当初からRFIDプロジェクトに参画してきた当社のエンジニアリング技術を、ぜひご活用ください。

*1
M2M: Machine-to-Machine
*2
RFID: Radio Frequency IDentification

お問い合わせ

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開発の背景

RFIDとは?

 RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略で、無線通信で自動認識する仕組みのことを示します。
 ID情報やデータが格納された「RFタグ」と、読み取り/書き込みを行う装置の「リーダライタ」が、電波(または電磁波)を用いた無線通信を行って、タグに格納されたID情報などを読み取ったり、別の情報を書き込んだりします。

 RFIDは二次元バーコードやQRコードと比べて「読み取り操作が簡単」「保有できる情報量が多い」「情報の書き込みが行える」などの優位性があり、データ取得の効率化や精度向上に大きなメリットがあります。



HF帯とUHF帯

 RFIDで用いる無線電波の周波数帯は、主にHF帯とUHF帯です。

 HF(High Frequency)帯RFIDの周波数は13.56MHzが主流です。RFタグとリーダライタのアンテナコイルに電流を通して磁界を発生させ、その電磁誘導により信号のやりとりを行います。通信距離は、数cm〜数十cm程度です。個人認証や課金用途に不可欠な高セキュリティ環境を構築するため、ごく近い距離の非接触で処理を行えるよう出力が最適化されています。

 UHF(Ultra High Frequency)帯RFIDの周波数は、しばらく950MHz帯が使用されていました。電波法の改正により、2012年7月から920MHz帯が使用されます。出力強度にもよりますが、約5m程離れた場所でも通信が可能です。高速・大容量のデータ通信が可能なため、物流業界などでの物品情報の一括読み取りや長距離通信に適しています。



パッシブ方式とアクティブ方式

 RFIDの通信方式には、リーダライタの電波により通信するパッシブ(P)方式と、電池を内蔵しているタグからリーダライタへ直接通信するアクティブ(A)方式に大別されます(図1)。

 パッシブ方式で用いるRFタグ「パッシブタグ」は、電池を内蔵しないため自発的なデータ発信を行わず、リーダライタが供給する電力を受けて回路を起動し、応答します。

 アクティブ方式で用いるRFタグ「アクティブタグ」は、電池を内蔵していて自分から電波を発信できるため、離れた場所でもリーダライタはデータを受信することが可能です。

 リーダライタは、電波や電磁波を用いてタグのデータの読取りや書込みを行います。電波を与えなければ回路が起動しないパッシブタグにはパッシブタグ専用のリーダライタ、電波を自ら放出するアクティブタグにはアクティブタグ専用のリーダライタが用いられます。

 現在普及しているRFIDの多くは、交通系ICカードに代表されるパッシブ方式です。

図1 パッシブ方式とアクティブ方式
図1 パッシブ方式とアクティブ方式



異なる通信方式のRFIDを一台で読み書き

 パッシブ方式でもアクティブ方式でも通信が可能な方式を「デュアルモード」と呼びます。「UHF帯RFID」と「デュアルモード」という技術要素を組み合わせることで、革新的なアプリケーションを実現できるようになります。
 その代表例が、M2Mを利用したスマートメータや設備資産管理などでの応用です。

 たとえばスマートメータへの利用では、ID管理用にパッシブタグ、電力計などのセンサとしてアクティブタグを設置して、機器から機器へ自動的にデータを集める仕組みが考えられます。
 また、短距離通信に適したパッシブタグと、長距離通信が可能なアクティブタグを適切に配置することで、機器点検や設備管理などの業務効率を向上させることが可能になります。リーダライタが届く場所には低コストのパッシブタグを配置し、高所や設備内部などの届きにくい場所にはアクティブタグを配置することにより、機器点検作業の時間を短縮することができます。

図2 デュアルモード対応リーダライタの利用イメージ
図2 デュアルモード対応リーダライタの利用イメージ

 このようにパッシブタグとアクティブタグを混在して用いるシステムにおいて、効率的な情報のやりとりができるようにするため、当社は「デュアルモード組込みリーダライタモジュール」を開発しました。

 このモジュールを組み込んだ端末一台で、パッシブタグとアクティブタグ両方の読み書きを行うことにより、運用効率の向上を図ることができます。



開発事例のご紹介

デュアルモードUHF帯RFIDリーダライタモジュール

デュアルモードUHF帯RFIDリーダライタモジュール

本内容は、総務省委託研究「ユビキタス・プラットフォーム技術の研究開発(ユビキタス端末技術 の研究開発)」の成果を活用しています。
※I/Oインタフェース仕様などは、お客さまのご要望に応じてカスタマイズ可能です。

  パッシブ アクティブ
無線仕様 周波数帯 952.0〜957.6MHz 950.8〜957.6MHz
CH間隔、占有CH数 200kHz、1ch
RF出力 10mW以下 1mW以下
規格 ARIB STD-T90 ARIB STD-T96
プロトコル ISO18000-6 TypeC 独自プロトコル
モジュールサイズ/質量 24.1x57.2x4.1mm / 10g以下
電源電圧 3.3V(SDIOコネクタより供給)
消費電流 待機時 10mA以下
通信時 140mA typ 100mA typ
I/Oインタフェース  SDIO

RFIDソリューションへの適用例

適用例1. 手が届きにくい設備の情報も、アクティブタグで安全・確実・スムーズに受信可能

 工場などの設備を効率よく運用するための設備資産管理(EAM*3)にデュアルモードRFIDを適用した例を示します。

 設備のID管理には、従来の機器銘板に代えてパッシブタグを用います。さらに設備内部に設置したアクティブタグ付きセンサで、内部の状態などを計測できます。
 たとえばアクティブタグ付き温度センサを用いてリアルタイムに温度を計測することで、温度状況の可視化が可能になります。
 また、エリア情報をアクティブタグで通信することにより、管理者は作業者の点検場所を自動で把握できます。

 これらの情報を、デュアルモード対応リーダライタを組み込んだ保守端末で管理することにより、ID管理だけでなく設備状態や点検場所などのEAMに関する情報を効率的に収集することが可能になります。

*3
EAM: Enterprise Asset Management

図3 設備資産管理用RFIDソリューション
図3 設備資産管理用RFIDソリューション

適用例2. 物流システム向けRFIDリーダライタ(スマホ対応)

 iPhoneなどのスマートフォンにリーダライタモジュール内蔵のジャケットを装着してスマートフォンをリーダライタ化。
 物品のトレーサビリティ管理などに活用可能です。

図4 物流システム向けRFIDリーダライタ(スマホ対応)
図4 物流システム向けRFIDリーダライタ(スマホ対応)

適用例3. 食品販売店向けRFIDリーダライタモジュール(タブレット端末対応)

 タブレット端末や携帯電話などのSDカードスロットにリーダライタモジュールを挿入して端末をリーダライタ化。
 商品詳細情報の閲覧やクーポンの取得などに利用可能です。

図5 食品販売店向けRFIDリーダライタモジュール(タブレット端末対応)
図5 食品販売店向けRFIDリーダライタモジュール(タブレット端末対応)

適用例4. 公共設備保守向けRFIDリーダライタ(高速読み取り可能)

 自動車などで高速移動しながら、公共設備に設置したアクティブタグ付きセンサのデータを収集。
 設備の各種状況データをリアルタイムで取得可能です。

図6 公共設備保守向けRFIDリーダライタ(高速読み取り可能)
図6 公共設備保守向けRFIDリーダライタ(高速読み取り可能)

適用例5. 美術館向け館内・展示品のガイド

 美術館利用者に貸与するガイド端末にリーダライタモジュールを組み込み。
 館内の各エリアに設置した位置情報発信用のアクティブタグと、展示品案内板に設置したガイド情報読取り用パッシブタグを用いることで、利用者が施設内をスムーズに巡回できるようになり、さらに個々の展示品の詳細なガイド情報を任意で読み取ることができます。

当社のRFID組込みソリューション

RFIDで「見える化」をサポート

 RFIDはもはやバーコードの代替技術だけではなく、経営にとっての情報の確実性と透明性を裏付けするソリューションになろうとしています。
 資産設備や物品の一つ一つにタグを付け、それらの情報を蓄積することで、情報の精度と鮮度、精細度が高まります。これにより情報の信頼性を向上させることができ、各種の情報を活用することによって企業経営を成功に導く「見える化」をサポートします。


お客さまのRFIDシステムを組込みエンジニアリングで支援

 当社は、日立の「μ-Chip」をはじめ、各社のRFID開発に長年携わってきました。
 利用用途に適したRFIDシステムのご提案、要求仕様に応じたICチップやボードの設計・製造など、さまざまな開発段階で信頼性の高いエンジニアリング技術を提供します。

 RFIDリーダライタモジュールを各種デバイスに組み込む際には、ぜひ当社へお問い合わせください。

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