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Hitachi

広角レンズ・魚眼レンズの画像歪み補正

広角レンズや魚眼レンズで撮影した超広視野角画像を、日立独自の補正アルゴリズムにより、全体の自然さを保ちつつ、歪み補正をすることが可能です。

応用例
監視カメラ、テレビドアホン、テレビ会議システム、車載カメラ、工業用内視鏡、携帯カメラ など

課題

超広視野角画像に対する自然な補正ができない

従来技術では補正範囲が限られているため、魚眼画像を区切って各部分ごとに補正を実施する必要がありました。そのため、全体を自然に一覧することができず、以下のような課題がありました。

  • 各部分ごとに分割して補正した画像を合成した結果、不自然な画像になってしまう。
  • または、選択した一部分しか見ることができず、見たい画像を切り替える必要がある。

超広視野角画像に対する自然な補正ができない

解決方法

日立独自アルゴリズムによる自然な補正

特許技術により、歪み補正パラメータを用いて座標変換および補間演算を行うことにより、画像全体にわたって自然な補正を実現します。

日立独自アルゴリズムによる自然な補正

特長

超広視野角画像出力を実現

広角・魚眼レンズで撮影した画像を、水平/垂直視野角185度程度でも、より自然な形で全体を1つのモニタ画面へ出力することが可能です。魚眼カメラの光軸を水平に設置した場合、歪み補正パラメータを切り替えるだけで、用途に合わせた画像に補正できます。

超広視野角画像出力を実現

自然な平面画像へリアルタイムで補正

画像中央部と周辺部の見た目差(画像ボケ、ゆがみ(歪曲収差))を少なくし、自然な画像へリアルタイムでの補正を実現しました。

高精細4K画像に対応

高精細な4K画像(画素数3840x2160)やフルHD画像(画素数1920x1080)に対応可能です。

お客さまの製品、画像の特徴に合わせたカスタマイズに対応

お客さまの開発内容や画像の種類、接続インタフェースなど、ご要求に合わせた形で提供方法をお選びいただけます(例:IPコア、PCおよびDSP上のソフトウェアなど)

論理IPコア お客さま組み込みポートへFPGA、ASIC化しカメラに内蔵 ソフトウェア PCなどのCPU/GPUプログラムとして実装

独自補間技術による高解像度化も併せて提供可能(オプション)

日立独自の高解像度化技術により、小画素画像から精細感のある美しい鮮明な画像へ変換します。
画像拡大によりぼやけた画像を独自の「鮮鋭化」処理によって、拡大後でも輪郭が滑らか、かつシャープで鮮明な美しい高解像度画像へ変換します。

高画質化、XY8倍(面積64倍)の画質比較例

サービス内容

ご提供するサービス内容を以下に示します。

ご提供サービス
ソフトウェアIPカスタマイズ
  • カメラ・システムに応じた歪補正パラメータを作成します。
ハードウェアIPカスタマイズ
  • カメラ・システムに応じた歪補正パラメータを作成します。
  • 性能要件やご利用のデバイス・メモリなどのハード仕様に応じた受託設計を承ります。
IPライセンスご提供
高解像度化アルゴリズム(オプション)

導入事例

監視カメラ

  • 魚眼レンズを用いた広視野角撮影により、人と物の位置関係や流動把握が容易になります。
  • 広角レンズの場合には複数台の監視カメラが必要であったエリアを、魚眼レンズと本技術を組み合わせた監視カメラでは1台でカバーすることが可能で、設備機器の導入費用やメンテナンスコストを大幅に削減することが可能です。
  • AIを用いた人物認識・物体認識を行う場合に、前処理として歪み補正を行うことで、認識率の向上を図ることが可能です。
  • 監視カメラの設置位置や用途によって、魚眼レンズの補正パラメータを設定・変更し、より自然な映像として表示することが可能です。

屋外(広域)監視例

室内(壁面設置垂直)監視例

車内(天井設置)監視例

テレビドアホン

  • ドアの前に立つ人物や荷物、物陰に隠れている人物の有無なども確認することができ、セキュリティ対策に有効です。
  • 従来技術のように、撮影された画像の一部を切り出し処理するのではなく、ほぼ全ての領域を補正することが可能なので、広角・魚眼レンズの画像特性を最大限に活かします。

テレビドアホンの補正例

テレビ会議システム

  • カメラ1台で広範囲での撮影ができ、PTZ操作が不要になります。
  • 表示された会議メンバーの表情や視線の方向なども自然な形で表示でき、遅延のないスムーズな会議環境ができます。

テレビ会議システムの補正例

車載カメラ(フロントビュー/バックビュー)

  • 外部の景色が広範囲に参照できるようになり、駐停車における周囲の障害物有無確認や巻き込み防止などに効果があります。
  • 広角・魚眼レンズの画像歪み補正で撮影した画像を、水平/垂直視野角185度程度でも、より自然な形で全体を1つのモニタ画面へ出力することが可能です。魚眼カメラの光軸を水平に設置した場合でも、歪み補正パラメータを切り替えるだけで、用途に合わせた画像に補正できます。

補正例

  • 水平視野角を185度に補正:広視野角を自然な形で表示(フロントビュー)
  • 垂直視野角を185度に補正:路面を自然な形で表示(バックビュー)

車載カメラ(フロントビュー/バックビュー)の補正例

車載カメラ(車内モニター)

  • 1台の広角・魚眼レンズカメラで車内の様子や搭乗者の持ち物などが一望できます。
  • タクシーやバスなどの保安カメラとして有効です。
  • 自然な形で補正できるため、人物や物の形状、位置がより明確に把握できます。

車載カメラ(車内モニター)の補正例

工業用内視鏡

  • 管の内壁を撮影する場合、カメラが管に対し水平でなくとも、広範囲に壁面を検査することができ、側壁検査の効率を向上させます。
  • 奥行きなどの距離感覚を保持したまま、内視鏡で撮影した画像を補正することが可能です。

工業用内視鏡などの補正例

携帯カメラ

  • 腕を伸ばした程度の短い距離でも複数人を入れた撮影が可能となります。
  • 撮影された画像を違和感のない写真データとして表示します。

携帯カメラの補正例

主な仕様

項目 仕様・性能
広角・魚眼レンズの画像歪み補正機能 魚眼画像を広域エリアが一望できる超広視野角画像に低遅延で補正
  • 補正領域の指定不要(PC操作無し)
  • 画像遅延=0.5フレーム(ハードウェア処理の場合)
補正後画像の視野角 水平補正モード:水平視野角185度、垂直視野角140度
垂直補正モード:水平視野角140度、垂直視野角185度
但し、用途によって補正範囲の調整は可能です。
出力画面サイズ 640×480(VGA)、1920×1080(フルHD)、3840×2160(4K)など
最大フレーム数 60フレーム/秒
補間方式 バイキュービック演算
評価キット提供 納期や詳細については別途ご相談ください

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